今回のパネルディスカッションでは、パネラーとして日野原重明先生(聖路加国際病院理事長)とジョセフ・ゴネラ先生(トーマスジェファーソン大学名誉医学部長)にお話しいただきました。そして当研究所が出版した「国民主役医療への道」の編纂をしていただいた、ハワイ大学医学部外科教授の町先生が司会進行と通訳をかってでてくれました。
日野原先生は長年にわたり、日本の医師の持っている倫理観や哲学、そして患者さんに対する実際のスキルを見てきて、日本の医学教育を高卒後6年間ではなく、4年制大学を卒業してから医学校で4年間学び、さらに研修医として訓練するアメリカ・カナダ方式に切り替えることを提唱しています。かたやジョセフ・ゴネラ先生はアメリカの最先端医療の現場で、教育・診療・研究を統合した活動を、時代にあった最適なものとするべく大胆に改革を行ってきた経歴があります。先生は現在でも、アメリカだけでなくイタリア、韓国、中国を始めとする各国で、その地の医療体制について研究を重ね、それらのためのアドバイスを行っています。
国民皆保険の行われている日本と、これまで自己責任の枠内で保険行政が行われてきた米国では、国民の医療に対する考えが異なります。しかし医師の存在意義が病んでいる人を苦しみから救うことである点においては両氏とも一致しており、それぞれの国の事情を考慮しつつ変えるべきところを変え、理想の医療を実現したいとお話ししています。
このお二人の生き方の原動力、そして特にいま日本が改革しなければならない理想の医療体制の構築などについて、忌憚のないお話が討論されました。
『医療体制』などというと、一般の患者さんには難しすぎる話と思えるかも知れませんが、今回のパネルディスカッションでは、現実問題となっている老人医療をどうするか、本当に患者さんと向き合ってくれる医者をどうしたら選べるのかなど、皆さんが病院へ足を運んだとき感じていることについて分かりやすくお話を伺うことができました。ご来場の皆様にはきっとご満足頂けたことと思います。 |