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アラムナイ活動及び研修レポート

ハワイ大学でのオブザベーション研修

医学部5年 高瀬貴文

 この度、野口医学研究所並びに多くの方々の支援により、2月4日から3月1日までの一ヶ月に渡り、ハワイ大学クアキニ病院にて研修させていただく事ができました。
前半の二週間を家庭医療の渡慶次仁一先生のもとで指導していただき、後半の二週間をクアキニ病院総合内科チームBに参加させていただきました。また週に一度Little先生のプレゼンテーションの授業にも参加させていただきました。
 観光もさることながら、寝る時間もままならないほど、忙しい四週間でしたが、日本で実習しているだけでは経験する事のできないほど、大変貴重な経験をさせていただく事ができました。経験させていただいた事は、書き記すには難しく、また全てを書き記す事ができないほどですが、ここに報告させていただきます。

渡慶次道場

 渡慶次先生の下で学ぶ生徒にはまずトケシ道場サバイバルマニュアルというものが渡され、読むように指示されます。ここには、カルテの記載の方法から問診の仕方、渡慶次先生が日々の診療で心がけている事、先生の考え方などありとあらゆる極意が詰まっています。
 先生からは特に三角形の概念を知りなさい・そして日々意識しなさいとおしえていただ
きました。ここには先生の医師としての心構えが詰まっています。一つ目の三角形は患者さんを頂点とし、医師は患者に仕えるしもべ(サーヴァント)として底辺にいるという三角形。二つ目の三角形は仕事の効率を表す三角形であり、この三角形を小さくするよう日々考え、努力する事により、患者さんのみならず自身の貴重な時間も浪費せずにすむということでした。三つ目の三角形は医師としての志、知識、そして技術を結ぶ三角形であり、この三つのどれを欠いてもいけないという三角形です。 先生は医師になられてから今に至るまで、常にこの三つの三角形を考え、日々精進しているとおっしゃっていました。先生の一連の流れるような診察や採血を見学させていただいていても、この三角形を先生が意識されているのだなと感じれるほどでした。
 また先生は剣道や居合などの武術も嗜まれており、仁・義・禮・智・信や遠山の目つけ、観見の目付け、一期一会、平常心、不動心、無構え、巌の身、残心、驚・恐・疑・惑など、武術などから学ばれて、これら多くの言葉や意味を日々意識しているとおっしゃっていました。これらの言葉や意味をお忙しい中伝授していただき、今後自身の中で昇華し、自身の医師人生にいかしていければ、患者さんにより良い医療を提供できるという確信を得る事ができました。というのも、日々先生と共に多くの患者さんをみさせていただいていると、多くの患者さんは先生の前で安心し、とてもリラックスした状態で診察をうけ、早朝でも常に笑顔で、また多くの患者さんが先生の下で私が学べている事を素晴らしい事だとおっしゃっていたからです。
 渡慶次先生の元では、回診を毎日朝夕二回行い、朝の回診の前には受け持ち患者さん全員の様子をみて、先生に報告します。持ち患者数は最大19人と、大変多くの患者さんを診察する機会を頂き、大変多くの経験をさせて頂きました。月・火・木・金曜日は午前午後、水・土曜日は午前に先生の外来に伴い、水曜の午後はナーシングホームへの往診に付き添わせていただきました。
 また、ハワイ大学にて縫合のワークショップにも参加させていただき、ハワイ大学の学生と触れ合う機会もいただきました。先生の元で二週間学ばさせていただいた事により、アメリカの家庭医療とはどういうものかを肌で感じる事ができ、アメリカにおいての家庭医や家庭医制度の必要性を知れたことは、今回の研修のなかでも大変有意義な事ではないかと思っております。

内科研修

 後半の二週間は、クアキニ病院総合内科チームTeam Bに参加させて頂きました。チームはレジデント2年目が一人、1年目が一人、ハワイ大学の学生(M3)一人と、三人でひとつのチームが構成されています。チームは4つあり、4日に一回のon-call day があり、この日に入院した患者さんは、担当のteamが受け持つこととなります。
一日の流れとして、朝回診の前に持ち患者の状態を把握し、SOAP形式でカルテを作成しておき、その後、チームで朝回診をします。その際、自身の担当の患者に関し、簡単なプレゼンテーションを行い、その後チーム全員で今後の方針を考えていきます。その後、他のチームと共にICUにて、上級医にプレゼンテーションをし、治療方針に誤りがないか等確認していきます。その他、曜日により、モーニングレポートや専門医によるレクチャー等があり、また夕方にも学生に対するレクチャーなどがあったりと、学ぶ機会が大変多く存在します。モーニングレポートとは、担当のチームが、診断に困った、又は興味深い症例を年齢・性別・HPI・PMH・FH・SHなどをまず発表し、全員で鑑別を考えていきます。その際、考えた疾患に対しての検査なども発表し、考え方のアプローチの仕方を共有します。その後、検査結果が発表され、診断結果、並びに治療方針などが発表され、ここでも議論が行われます。その後、この症例の疾患について、学んだことを発表します。
 日本との違いとしては、まずプレゼンテーションの回数が多いことが挙げられます。レジデントによるプレゼンテーションもさることながら、ハワイ大学の学生によるプレゼンテーションも、大変複雑で経過が長い症例でも、過去の重要な検査結果から、最新の結果、それらに対するアセスメントかプランまでとてもわかりやすく、そして系統だってまとめられており、大変勉強となると共に、感銘をうけました。また、チーム内での話し合いの機会も多く設けられており、チーム内で治療方針を共有しており、また、他のチームとのラウンド等で、他のチームとも、共有します。このように情報の共有が、しっかり行われていることも、日本とは違うのではないかと感じました。また、学生が、自分のteamのレジデントと治療方針を議論していたり、その議論の内容も、どのようなエビデンスに御基づいているのか、プロトコールはあるのか、診断基準の感度・特異度はどれくらいなのか、予後の改善率は何%なのか、等最新の論文などに基づいた議論がされており、大変刺激的でした。また、医師が患者さんに対し、大変気を配っており、最後には必ず何かできることはないかなどを聞いており、患者さんが大変安心して治療を受けている姿をみて、感銘を受けました。
 私は多くの時間をハワイ大学の学生とともに過ごさせていただいきました。彼らは三年生にも関わらず日本の後期研修医並の知識を持ち、また医学に対する知的欲求も大変深く、また優しさなど、人間性に関しても大変素晴らしく、私は彼らから大変多くのことを学ばさせていただく事ができました。
Dr.Little先生のプレゼンテーションのレクチャーでは、プレゼンテーションをする際の心構えや、たち方などの基本的なことをはじめ、発音やしゃべるスピードなどどのようにすれば相手によりわかりやすく伝わるかなどを教えていただきました。

 最後にですが、町先生をはじめとした野口医学研究所の多くの先生方、スタッフの皆さま、渡慶次先生並びに渡慶次オフィスの皆様、内科チームレジデントの方々、ハワイ大学の学生の皆様方、ハワイ大学のスタッフの方々など大変多くの人々に支えていただきました。皆様方の支えのおかげで、このような大変有意義な研修を一ヶ月間送る事ができた事に、改めて深く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 今回の研修を通して、今回学んだことを多くの所で還元できるよう努力するとともに、今後の医師人生に十二分にいかし、日本国内のみならず、世界に羽ばたけるような医療人となれるよう今後とも日々精進して行きたいと思っております。
 大変つたない文章で長々となってしましましたが、これにて報告を終了させていただきます。

 

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