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アラムナイ活動及び研修レポート

TJUでの実習レポート

斉田英恵

 トーマスジェファーソン大学での研修は密度が濃く,貴重な経験となりました。実際に,米国の病院実習を経験し,米国医学生や医師と交流したことで,米国医療の仕組み,医学生の病院実習の姿勢,医学生の勉強以外の活動,医師-患者の信頼関係の築き方について自分自身で確認し,学ぶことができました。
病院実習は見学した4つの診療科(Internal Medicine, Emergency Room, Family Medicine, Pediatrics)のうち,2つについて述べたいと思います。Internal Medicineでは,日本人学生一人につき一つのチームに参加しました。一チームは上級医1人,レジデンス3人,医学生2人,薬剤師2人から構成されています。学生は,患者さんの問診を一人でとり,指導医に患者のプレゼンをし,それに対し指導を受けていました。学生でも医療チームの一人として臨床に携われることは米国医療の特徴だと思います。実地経験は教科書や病院実習の見学で得られる医学知識よりはるかに医師として成長させると思います。患者との関係の築き方,症例報告の仕方など実際に行わないとつかめない感覚も得られることを実感しました。  

 Family Medicineでは一人の医師対し一人の学生がつきました。この診療科には大学内であるにも関わらず,どのような症状でも診察でき,相談できる医師がいます。専門的な受診が必要になると,TJU内の他科を,受診手続きを始めから行わずにスムーズに受診することもできます。医師は,日本のように診察室に医師が座って,患者が入ってくるのを待つのではなく,患者の待つ個室へ自ら赴くため,医師が病棟内でよく動くことが印象的でした。診察室にいる患者はすでに看護師から軽い問診を受けています。その問診票はドアに添付されていて,医師はその問診票を見てから部屋に入り,診察します。その際新鮮だったのは,医師が患者に対し,自己紹介,握手をし,質問した意図の説明,薬の効果・必要性の説明,患者の生活習慣にあったアドバイスをしていたことです。例えば,「BMIが高いから体重を減らしなさい」と言うだけではなく,「運動療法と食事療法を同時並行する場合,成功率が低いという報告があるから,まずは食事療法を行なおう。そのために甘いアイスティーはやめよう」などとEBMに基づき,かつ具体的なアドバイスをしていました。更に医学情報の資料提供や,何か質問があれば私のe-mailアドレスまでと言って名刺を渡していたことが印象的でした。一連の行為は,信頼構築のため医師が患者へ近づこうとする姿勢のように私には感じられました。
 病院実習以外で印象的だったのは,Jeff HOPEです。これはホームレスの人に対し, TJUの学生が無償で診療にあたるボランティアです。主にM2とM4(日本の4,6年生に相当)のTJUの学生が三人一組になり,問診・身体診察・診断・必要な処方を考えます。学生は得られた情報と考えられる診断を医師にプレゼンし,それをもとに医師が再度問診,処方をします。学生は医師から,問診で足りなかった質問やこの症状から考えられる疾患,効果的な薬とその量などフィードバックをもらえます。私もほかの二人の学生と協力しながら実際に一連の流れを行いました。日本で数週間前に実施されたOSCEを思い出しつつ,それを英語で行えたので非常に勉強になりました。Jeff HOPEは学生にとって,OSCEの勉強になり,やはり実地での勉強は医学知識の理解を深めるものとなり,双方に利点がある活動であることが分かりました。
 日米の医学生との出会いは大きな収穫の一つです。モチベーションの高さに刺激を受けたとともに,将来設計や勉強などの悩みを共有できたことが嬉しかったです。米国医学生とはエスコートをしてくれた2人を始め,病院実習や講義,Jeff HOPE,昼食時に交流できました。また,日本の他大学の医学生と交流できたのも貴重でした。実習内容の情報を交換したり,将来について夜遅くまで語り合ったり,一緒に観光したことは忘れられない思い出となりました。
今回の研修で米国医学生の姿勢を見られたことは,現在の自分には何が不足していて,今後何を学べばよいか,5年生でのポリクリ実習では自分がどのように実習したいか,何を吸収したいかを明確にしてくれました。米国医学生のレベルが高い背景として実地に学ぶ機会,医学知識をアウトプットする機会が多いことが理由の一つであることを学びました。今回学んだことを自分の日本での学びと将来に生かしたいと思います。
 このような貴重な経験をする機会を下さった野口医学研究所の皆様,現地で支えて下さったTJUの医師,研修医,スタッフ,学生の皆様,本当にありがとうございました。

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