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アラムナイ活動及び研修レポート

TJUでの実習レポート

高木麻衣

 

今回私はThomas Jefferson 大学のClinical Skills Programに参加し、救急医療、家庭医療、小児科、内科、そしてスキルセンターに行かせていただきました。4年生でかつまだクリニカルクラークシップが始まっていない状態での参加だったので、渡米前は英語面というよりは知識面での不安が大きかったです。しかし実際に実習が始まってみると英語の壁は思った以上に大きく、研修初日に私はこの状況で本当に何かを学んで日本に帰れるのだろうかととても心配になりました。そこで初日以降フェロー・レジデントや医学生に必死になって質問し、理解するまで何度も聞いてみるというプロセスを繰り返していったところ、初日の不安を払拭でき思った以上に得たものは多かったです。
アメリカの医療や医学教育の実際を見ることができたこと、また医学生やレジデントを中心とした医療関係者と直接話ができたことは本当に貴重な体験でした。一番驚いたのはアメリカの医学生やレジデントは日本の医学生よりもはるかに重い責任を負っているということです。アメリカの医学生は自分の担当患者さんが与えられるとまず問診、カルテへの記載やプレゼン、そして時には検査や治療に関しても意見が求められています。もちろんレジデントレベルの人たちによる再度問診や、カルテの記載の添削があるにはありますが、医学生のものが基本となって行われている印象を受けました。医学生にこれほどまで任せるのはとてもリスキーに見えますし、また社会からの同意を得ることは非常に難しいように思えますが、医師不足と言われている日本でより多くの医師を得るという点ではこのようなシステムを導入するのもいいのではないかと思います。
病棟で行われた研修の中で最も興味深かった分野は家庭医療でした。日本での家庭医療の浸透率はアメリカに比べるとはるかに低く、また最近になって家庭医の認定試験ができたと聞きました。私も実際にThomas Jefferson大学で見学するまで家庭医療がどういった患者を診ているのかは十分理解していませんでした。実際にレジデントと一緒に回ってみると、高血圧や脂質異常のフォローといった日本でのいわゆる内科領域のみならず、妊婦検診やSTD検査といった産婦人科領域などあらゆる分野を手広く診ていたのに驚きました。日本では妊婦検診であれば産婦人科、中耳炎なら耳鼻咽喉科にかかるというように患者は自分の症状にあわせて病院・診療所を変えて受診します。したがってその患者さんが過去にどのような病気にかかったことがあるのか等を把握するのに問診をとったり、他病院に問い合わせなければなりません。かかりつけの家庭医を持つことはそのような手間を省き、医師患者間の信頼関係が病気毎に診療所を変えた場合よりもはるかに深いものになると思います。また医師も患者さんの抱えている病気だけではなく心の状態や微細な変化に気づきやすくなるのではないだろうか、と思いました。
スキルセンターでは日本にはないような手技を練習する機械やその練習をするための部屋、偽の手術室や診察室がいくつもあり、一年生からそのような機械や部屋を使った実習が行われているというのを聞いて、研究医ではなく臨床医を育てる環境が非常に整備されていると思いました。日本では学生が技術を磨くという機会はあまり多くはないと思います。少なくとも私の大学ではそのような授業はOSCE前にあっただけです。学生のうちからしっかりと技術を学び、また出来るだけ多く問診等を行える環境を整えることは重要だと思いました。このスキルセンターでの実習は3回ほどでしたが、エコーや腰椎穿刺、気管挿管などの練習をさせていただきました。どの手技も難しく、短時間の実習で完璧には習得できなかったのが残念です。技術の練習だけでなくOSCEも一回させていただきました。そのときにDr.Majdanが技術よりも患者さんの話に耳を傾けることが大切だとおっしゃっていたのがとても心に残りました。
今回のThomas Jeffersonの実習では研修だけでなく、津田先生や佐藤先生といったアメリカで活躍されている日本人医師の方々やDr. Gonnellaからのお話を聞くことができたのも本当に光栄でした。特にDr.Gonnellaがempathyを持って患者に接しなさいとおっしゃっていたのがとても印象的でした。empathy=共感すること、共感力。確かに患者さんの思ったり感じていることに共感することは、豊富な医学知識を持っていることやすばらしい技術を持っていることよりも大事だと思います。私は将来どの分野に進むかはまだ決めていませんが、様々な先生からお話を聞けたことで自分が理想とする医師像が研修前よりも鮮明に見えてきました。どの科に進むにせよその医師像のために、さまざまな経験をしていきたいと思います。

 最後になりましたが、浅野先生やMr.Kenny、津田先生を始めとした野口医学研究所の方々、Dr. Pohl やMs. Radi, 佐藤先生, Dr. Majdan, Dr. GonnellaやThomas Jefferson大学の医学生、レジデントの方々にはこのようなすばらしい機会をいただき、また研修中にも大変お世話になり本当にありがとうございました。

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