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アラムナイ活動及び研修レポート

TJUでの実習レポート

坂口奈々恵

 何よりまずはこの研修に貢献してくださった、浅野先生をはじめとするTJUの先生方、Mr.Kenneyをはじめとする野口財団のスタッフの皆様に心から感謝を申し上げます。今回の貴重な経験を通し、自身の将来の方向性をかなり見極めることができました。数えきれないほどのご支援を頂き、本当にありがとうございます。
今回の研修で体験したこと、感じたことを簡略ではありますがご紹介させていただきます。
 最も意外だったのは、医学生の病棟での実習内容が日本で自身が行っているものと似ている部分が多かったということです。入院患者回診では、循環器内科と腫瘍内科で研修させていただきました。そこではスタッフの先生方にレジデント1,2名、医学生1名で構成されたグループで10〜20名の患者さんを担当しており、医学生がその内の1,2名を担当してその日の変化や治療予定等を発表していました。もちろん自分で患者さんのところへ伺い、様態を確認したり、患者さんや家族と会話をしたり、回診前にレジデントに発表内容をチェックしてもらうところなど、かなり研修の内容が似ていたため、案外馴染みやすく、落ち着いて参加することができました。米国では教育に仕事の時間の何割かを割かなければならないらしく、担当してくださったレジデントの先生方も非常に教育的で、たくさん解説をしてくださいました。やはり勝手が違うため分らないことも多かったのですが、とても質問しやすい雰囲気で、回答もとても丁寧にしてくださるので、非常に勉強になり楽しかったです。
 小児科での実習は午後で、たまたま定期健診を行うグループで実習したのですが、生後、2,4,6,9,12,15,18ヶ月2,3才と日本より検診回数が多く、またその都度年齢に合った絵本をプレゼントし、日常的に本に接する機会を与え、乳幼児期から教育に対する啓もう活動を始めるらしく、日本にはない良い制度だと思いました。検診の内容は日本とほぼ差異はなく、発達のチェック項目や予防接種などはほとんど同じでした。ただ、加入している保険を聞いて、それに合った解説を行っているところは日本では見られない光景だなと思いました。
 もちろん大きく異なることもあります。それは講義体制や実習設備、OSCEの内容と回数です。1,2年生の間に授業とOSCEを行い、USMLEもStep1は2年次に取得するようです。つまり日本の大学生のようにだらだらしがちな状態に陥る期間は無く、常に意識が高い状態で勉強していました。しかも授業は午前だけで、ネットでも配信されるので講義に来ない学生も多いようです。しかし決して怠けているのではなく、午後はほとんどの学生が図書館で自己学習に取り組んでいました。また下級生のうちから、実習班のようなスモールグループでの授業、実習が多いのも日本と違うところです。また、日本特有の、頑張っていることを見せない、こっそり勉強する美学?は彼らには無く、勉強しても、もっとやろうよとお互い高めあう姿勢は本当に素晴らしいと実感しました。みんな純粋に医学に真摯に向き合っており、尊敬します。彼らの意識の高さ、プロ意識には脱帽です。
また、病院実習で日本では珍しい、または無い症例も多く見学することができました。例えば黒人にしかないsickled cell;鎌状赤血球は時々血管に詰まるらしく、相当痛がって来院する患者さんを午前2回の研修のうち3件も診ました。また、保険制度上ERに来るのは多くが保険を払えない貧しい階級の人々が受診できる窓口でもあるらしく、3次救急しか受けない自分の大学での救急実習とは雰囲気が大きく異なっていました。
 さらに日本には無いユニークな活動に、医学生主体で運営しているホームレスシェルターでのクリニック事業がありました。約20年前の学生が立ち上げ、それ以来継続しているもので、レジデントやアテンディング監修の元、医学生が自ら教育、診療、治療をボランティアで行っています。薬の購入のために募金やオークション、またサンプルなどを活用して処方を行います。地域貢献だけでなく、この実地訓練を行うことで彼らの高い意識が維持されるのかなと思いました。4年生は3年生に、3年生は2年生に、という順に教育方法や診断方法などを教えていくため、どの学年でも自分が主体になって活動しなければ、という高い意識が生まれるのだと思います。
 今回の研修の中で一番おもしろかったのは、Dr.Majdanの講義です。座学もありましたが、実際に病棟に心音を聞きに行ったり、手技の実習やOSCEなど、盛りだくさんで非常に勉強になりました。日本では先生が聴診器で実際に聞いている心音を同時に聞きながら、解説を受けたことなど無かったので、すごく良かったなと思います。また模型を使ってCVカテや腰椎穿刺、挿管や動脈血採血の練習などなど、何度も体験させてもらえて、実際に研修医になって人間を対象に実践する前に練習ができ、いい経験になりました。
 向こうの医学生は本当に気さくで優しい方々ばかりです。もちろんレジデントや先生方もです。何人かの医学生とは夜に何度か飲みにいったり、メールを未だに交換し合ったりと、本当に仲良くなれて良かったです。ただ、もっとたくさん色んなことについてコミュニケーションを取りたかったなと、自分の英語力の拙さを反省しています。CNNより早い回診について行くのは、脳が燃える!思いでしたが、掻い摘んで説明してくれたり、ノートを見せてくれたりととても協力的で、勉強になりました。彼らの優しさには本当に助けられ、おかげでかなりの短期間ではありましたが、とても良い実習ができたと思っています。
 最後になりましたが、今回の研修をサポートしてくださったDr.Pohl、Dr.Sato、Dr.O’Malleyご夫妻、Dr.Gonnella、Dr.MajdanをはじめとするTJUの方々に心からお礼を申し上げたいと思います。そして何より今回ずっと私たちのお世話をしてくださったMs.RadiとRinoさんをはじめとする医学生の方々、そして津田先生、本当にありがとうございました。

短期間ではありましたが、非常に密度のある研修で、かなり多くのものを得られたと思います。この経験を同期や後輩に伝えながら、多くの人と共有していきたいと思います。
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