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アラムナイ活動及び研修レポート

UHでの実習レポート

柳澤貴子


ハワイ大学にて行われた約1週間のCREワークショップを終えて日本に帰国致しました。全国より集まった30人ものそれぞれバックグラウンドの異なった学生と共に過ごしたこの1週間は濃厚かつ活気溢れる毎日で大変貴重な経験となりました。未だ冷め止まぬ興奮の気持ちのなか、行く前に自分が目標としていたことと併せて振り返ってみました。ここではワークショップに参加した目的と参加後の達成度、自己評価ならびにこのワークショップの今後の発展のために私が感じたことを述べさせていただきます。
 私がこのCREワークショップに参加した目的は「臨床推論能力を磨くため」です。自分の将来の夢である“患者さんに信頼される家庭医”になるためには、「臨床推論能力」すなわち患者さんとの信頼関係を築き、訴えをうまく引きだして正しい診断を導くことは必須であります。短期間で集中的に多くの症例を学び、模擬患者、シミュレーションを用いた実践的なトレーニングが積めるのはここハワイ大学でしか学べないことであり、そのための最適な環境だと考えたからです。ワークショップでは「胸痛」「息切れ」「腹痛」の3つの主訴に基づいた症例を全体のセッションで6症例、模擬患者さん相手に3症例、シミュレーションで2症例、と4日間をとおして10症例以上学ぶことができました。全体のセッションでは問診、身体診察に至るまで1連の流れをその場でフィードバックを得ながら学ぶことができました。同時に他学生の視点による、診断に至るまでの流れ学ぶことができたと思います。ドアをノックするところからはじまり15分以内に問診、身体診察、今後の方針を患者さんに説明するという個人のセッションは今まで経験したことのないもので大変勉強になりました。ここでは円滑にコミュニケーションをとりながら患者さんの訴えを聴き出し、鑑別診断を頭に浮かべながら、必要とされる質問をすることの難しさを痛感いたしました。特に1日目の症例においてはあまりに緊張しすぎて、鑑別診断をあげるどころではなく、患者さんを目の前にして頭に浮かぶことは“次に何を質問するか”しかありませんでした。これでは患者さんから信頼を得るのに一番重要とされる円滑なコミュニケーションをとるどころではありませんでした。また、この15分間はビデオにて記録されており、後で自分の立ち振る舞いを客観的に見ることができ同時に他学生よりフィードバックも得ることができました。ここでは自分のmedical English能力の低さを痛感し、とコミュニケーションをとりながら診察することの難しさを身にしみて体験しました。必死でWSをこなしながら1週間を通して、communication skill, medical interview skill,ならびにclinical skillを同時に取得できたと思います。短期間においてこれだけの実践的な技術が学べるのはここでしかできないことです。今まで自分の大学で学んできたPBL学習はpaper based case studyであり、リアルスティックな訓練が行われているハワイ大学では技術の習得にここまで違いがあるのだということを痛感いたしました。 
 また、私はハワイ大学の医学生の話を聞いて、彼らの医学に対する意識の違いに驚かされました。日本では少なくとも私のまわりではポリクリを終え、自分が外科系か内科系か何となくイメージが湧いてきたが何科かは決め兼ねる、初期研修でも全部の科をローテートするのだからまだまだわからない、という人たちが多くを占めていると思います。しかし、彼らの多くはポリクリの始まる前から自分が医学のどの分野に興味を持っていて、何科を目指したい、というビジョンを掲げながら勉強しているという印象を受けました。すでに4年制の大学を卒業し、中には社会人を経験してきた人などを含め様々なバックグラウンドを持っており、医学を学ぶことに対する覚悟が違うのだと思いました。
 今回のハワイ留学で得られたこと、それは、CREワークショップ、ハワイ大の医学生との交流、レジデントの方のお話などを含めアメリカの医学教育について自分自身が経験して自分の目で確かめられたことにあります。やはり、経験に勝るものはないと思います。そしてもう一つ、かけがいのない最高の仲間たちに出会えたことです。1週間共に学び、熱く議論を交わし、共に笑い合った仲間たちは私にとって一生の宝物です。ここで出会った仲間たちとはこれから先もそれぞれの道に進んでもお互い切磋琢磨してゆけると固く信じています。

 今後この素晴らしいCREワークショップの更なる発展のために私自身が気がついたことを述べさせていただきます。過去に参加した先輩の方のお話だと1週間で合計20症例にも及ぶcase studyを経験できると伺っておりましたが、実際はその半分に満たない症例数でした。ひとつの症例に対して時間をかけられたという利点もあると思いますが、経験できる症例数が少なかったのは参加人数に対して模擬患者さん、シミュレーターの数は限られているためかと思われます。今回の参加者は30人であり、例年は20人に満たないと伺いました。多くのメンバーと体験をシェアできたり、フィードバックを得ることができた点では大変良かったと思います。野口医学研究所の募集対象者は医学部5年生、場合によっては4年生も受け入れ可能ということでしたが、個人的にはポリクリが始まる直前である4年生の時点で経験する方が良いと感じました。ここでの経験を踏まえてポリクリに臨むことができれば患者さんに対する接し方が違ったのではと思うからです。このワークショップで獲得したmedical interview skill, clinical skillを生かすことかできたのではないかと思います。今回残念ながら療を借りることができなかったため個人でホテルを予約しました。当初は療に滞在可能ということでしたが航空券を手配した後に利用できないとの連絡がありました。もう少し事前に情報をいただくことができたら航空券とホテルをセットで手配することができて低費用で済んだと思います。また費用の面だけでなく、たった1週間のWSなので療で共同生活ができたらよりメンバーとも親しくなれたのではと思います。

 最後になりましたが、今回このような素晴らしい機会をくださいました町先生をはじめ野口医学研究所の先生方、スタッフの皆様、Sakai先生、Omori先生、現地でのサポートをしてくださったMargitやRayに心より感謝申し上げます。

 

 

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