2008年12月に野口医学研究所(以下、野口)の理事長にならせていただいて、1年半が過ぎようとしています。
一応理事長の任期は2年(6年まで更新可能なことは心得ていますが、それは野口の方々の決議に従います)ですので、この1年半を振り返り現時点での私の「野口の今後の方針」を述べさせていただきます。
2008年12月、当時のObamaさんに習って「Change」を掲げて理事長になり、その後皆さんの協力と努力に支えられ、新たな活動としてアラムナイの結集(MLの充実)、サマーセミナー開始、そしてJADECOM-NKPなど実施できています。一方、特に一昨年来の財政危機に対し、野口の教育活動をサポート下さるIHS(International Health Services)の皆さんには益々ご苦労をかけ、今後の野口の方向性を考える日々が続いています。
そこで、2010年7月のイベント(第2回サマーセミナー、アラムナイ総会、NKP会議、常務理事会)を前に、私の私見、Suggestion、一部はExecutive Decisionをまとめます。
その前に一言:最近Peter Druckerと松下幸之助を読んで、野口の将来に向けての一つの考えがまとまりました。
☆ 「組織の最大の資産は、(財産などでなく)『人』である」
☆ 「リーダーは、『人』が最大限能力を発揮できる組織・システムを創る」
☆ 「組織の成功は、組織の『強み』を発展させること。野口の『強み』は『人』にある」
☆
「組織の最終目的は社会貢献にあるべき。
組織活動で生まれる利益は、そのための手段に過ぎない」
☆ 「我々野口は未来に向けて今からも、次世代のリーダーと、良い『人』を創りたい」
The best way to predict the future is to create it. (Peter Drucker)
そして、現時点で重要なこと(これは野口創設者Yoshi浅野氏が27年間堅持してきたことと思いますが)、「野口のIdentityを守ること、一言で言えば、アラムナイを含め野口の人々の結束によって野口独自のミッションを貫くこと」と認識します。大分前ですが長嶋監督が辞任する時に「巨人軍は不滅です」と言われましたが、「野口のIdentityは不滅」となるよう理事長として努力します。
【米国財団法人・野口と日本の野口、IHS】
米国財団法人野口医学研究所がまさに我々のルーツであり、そのIdentityを常に今後の「理念」の中心に置きたいです。一方、現実的に野口の「活動」は大半が日本で行われています。現在まで日本の株式会社野口医学研究所が中心組織として、特にIHSの人的・財政的サポートに支えられて、野口の医学教育活動が続いてきました。
このたび、社団法人野口医学研究所が2月に登記されました。今後、野口の教育面での活動の透明性をより増すために、日本での活動の財政面は社団法人野口医学研究所に徐々に移行していきます。この移行期の間も、人的・財政的サポートはしばらくはIHSの方々に依存することになります。
【野口とアラムナイ】
アラムナイは現在、同窓会的な集団です。ただ、この1年チョッとでShigeki藤谷先生やKyoko明石さんの努力で、現在400人の会員が登録されています。現時点では、アラムナイは独自の組織として正式に活動するレベルではないと認識します。あくまでも野口の基での活動を行います。したがって、アラムナイ独自の財政管理や組織としてのマネージメントは(現時点では)行いません。
ただ、Takami佐藤先生の提唱された「アラムナイ支部」の創設・活動は、今後の野口・アラムナイの活動を助長し日本国内外で展開する上で大切です。そこで、アラムナイ支部は、アメリカ(東部、ハワイ支部など)でも、更には日本国内でも創っていきたいです。出来れば若い人たちに各支部の責任者となってもらい、われわれシニア組みはそれをサポートする立場になれればより良いでしょう。しばらくは、アラムナイの活動は、支部の結成・活動も含めて、必要に応じて野口が人的・財政的サポートをしていきます。
【野口とNKP】
NKP(野口研修プログラム)が創設され(一応、DirectorsはShigeki藤谷先生、Yasu徳田先生と私になっています)、昨年12月のJADECOM(公益法人・地域医療振興協会)との契約によって、東京北社会保険病院(今年4月から。以下、東京北)と東京ベイ浦安市川医療センター(2012年4月から。以下、東京ベイ)にてJADECOM-NKPとして卒後臨床研修を実施して行きます。
アラムナイと同様、NKPの活動もあくまでも野口の基で行います。ただ、アラムナイもその人材で発展してほしいNKPも、将来的には組織として(しっかりしたリーダーの出現とあいまって)その独立性が検討される時期が来ると思います。これは、野口Medical Schoolなどと言った大きな組織になれば、明らかでしょう。そのような将来も見越して、今後野口の理事会でもアラムナイ会でも検討していきます。
【野口とJADECOM】
東京北では4月からNKP研修活動がはじまり、4月のJADECOMとの協議会でも、今後のJADECOM-NKP協同活動が再確認されました。特に2012年から開始する東京ベイでの臨床研修に関して、現在の東京ベイでのJADECOM医師との協力が両者で確認でき、指導医選出をはじめとする具体的な検討が始まっています。
簡単に具体的には、2012年東京ベイ開院時(120床くらい)に内科・外科・救急・集中医療・(家庭医療)でNKPが約20人の指導医、20人の研修医、JADECOMから小児科・産婦人科で20人くらいの指導医で診療・教育が始まります(人数などはまだ最終的な決定ではありません)。そして1年半くらいで344床フルオープン、NKP指導医60人、研修医60人、JADECOM指導医30人くらいになる予定です。
野口・NKPとしては、責任を持ってまずメジャーの科(内科・外科・救急・集中医療・(家庭医療))の研修をACGMEにスタンダードに可能な限り近く実施します(小児科・産婦人科も将来はしっかりした研修をNKP主導で行いたいです)。
ここで重要なことは、JADECOMと野口・NKPの協力体制を強化することが大きなゴールで我々はそのために最善を尽くすことに変わりはありませんが、一方では野口・NKPの独立組織としてのIdentityを堅守することです。こういうと語弊があるかもしれませんが、野口・NKPはJADECOMの中に吸収されることはなく、野口・NKP自身のミッションとゴールを守ります。これはすなわち、アラムナイら野口の資産である『人』を守る、野口の『人』のよる効果的な活動を守るためです。
公益法人であるJADECOMとの協同作業上も、社団法人野口医学研究所としての公的な活動上も、上記した今後の野口と日本の社団法人野口医学研究所による野口の運営・マネージメントが重要になります。
【野口の今年の活動:Dr. Nascaカンファレンスなど】
すでに述べたJADECOM-NKPの活動のほか、これも準備が進行している第2回サマーセミナー(7月、Andy津田先生、Mitch岸本先生)、そろそろ準備開始する第15回セミナー(12月、Kiyoshi金城先生)があります。
更に特記する活動は、Yoshi浅野氏がJoe(Dr. Gonnella)先生、Michael Kenney氏らと進めてくれている今年12月のACGMEのCEO、Tom(Dr. Nasca)先生の野口による招待・来日です。
まだ決定してはいませんが、これが実現すれば、12月11日のセミナーでの若い参加者を対象として講演のほか、日本の医学教育指導医や研修教育者を対象としたカンファレンスを企画する予定です。ACGMEのような卒後研修を評価・認定する権威を持った第三者組織は、今後の日本に医師育成上非常に重要と考えられ、野口としても日本での研修改善のためにACGMEとの関係を維持していきたいです。
また個人的なスケジュールですが、今年10月初めころにChicagoのACGMEを再度訪問し、ACGME Internationalの状況も含めてACGMEに関して学んで来ようと思っています。
【理事会】
2010年7月16日に常務理事会、12月10日に定例理事会を東京で開催し、上記の種々の議題を検討します。
【アラムナイ総会】
2010年7月17日に行います。
議題としては、今後の12月のセミナー・サマーセミナーの他に小規模の地方での春・秋セミナー発足の可能性、Extern・学生の米国研修選考会の改善、JADECOM-NKPでのアラムナイの活動、アラムナイ支部結成、将来に向けてのゴールや展望、などです。
【おわりに】
以上、思いつくままに今後の野口の方針を述べましたが、「野口のIdentity」を存続することを誓いたいと思います。JADECOM−NKP事業も謙虚に協同作業推進をすることは当然ですが、野口のIdentityとNKPの『人』に誇りを持ち、主張すべきことはしていきます。
これも個人的な思いですが、NKPの活動をはじめとして、今後の野口の教育活動のゴール・展望・夢を記しました。短期から長期展望にはもちろんオーバーラップはあります。
1.短期
・NKP研修プログラム・研修病院の創設と発展:東京ベイはNKP主導の研修病院第一号であるが、
その後第二、第三のNKP病院を展開したい。
・JCI(Joint Commission International)認可、ACGME認可(これはACGME Internationalの今後を
見据えて)
・日本の研修制度のスタンダード化・グローバル化とNKPのユニークな教育研修の提言
・鎖国的な日本医療・教育の開放
2.中期
・野口Medical School創設
・日本の医学教育改革
・日本の医療改革への貢献
3.長期
・NKPから世界にグローバルを発す:美しい日本の医療
・NKP(野口Medical School)で育った人材の世界的展開
・特にアジア(出来れば世界)のリーダーとして医療・医学教育を発進
私が野口・理事長の間にどこまで可能か判りませんが、次世代の野口のリーダーを育て、野口の『強み』=『人』を育成・賛同・結集することで、成せば成る、と信じています。
常識的には無理と思われるゴール・夢もありますが、「野口に常識は通用しない」と言われるようなゴール・夢の実現のために、サポートと協力をお願いいたします。
ゴール・夢(未来Future)を創り出す(Create)ために!!
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