NOGUCHI NEWS LETTER
米国財団法人野口医学研究所ニュースレター
■発行 米国財団法人 野口医学研究所 東京都港区虎ノ門1-20-7興武虎ノ門ビル5階
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Vol.4 2002.6
First JANAMEF/NMRI Joint Seminarを記念して
日米医学医療交流財団 評議員
北 嘉昭
野口医学研究所と日米医学医療交流財団のfirst joint seminar「臨床留学への道」が2000年10月14日に東京駒込の女子栄養大学にて開催された。今回のセミナーの最も大きな意義は、ルーツを同じくし、共通の目的を持つ両財団が、設立以来10年以上の星霜を越えて初めて合同セミナーを開催したという点であろう。
好き嫌いや利害を越えて「協調」することは難しい。しかし、共通の目的のため、そして、何よりも社会に貢献するために「お互いが歩み寄る」ことは洋の東西を問わず人類の永遠のテーマである。これから両財団がさらに協力体制を高め、より質の高い教育活動を行うことは、来るべき21世紀に向けてGlobal Health Care Professionals (またはPioneers)を育成するための重要な礎石となると思われる。
さて、本セミナーの目玉は、Clinical Skills Assessment (CSA)の合格のための有益な情報提供であった。セミナーでは十分な時間を割けなかったが、当日公開された「Clinical Skills Assessment (CSA)-その実際と対策- (佐藤隆美編集)」は大変よく纏まっており、ECFMG Certificate取得を目指す若い医学徒には是非ご一読をお勧めしたい。
また、日本人の不得意なpresentationの技術については、Doric A. Little先生により、雄弁に示された。受け身の日本型教育と違い、アメリカ人は小さい頃から人前で論理的かつ単純明解にpresentationをする技術をactiveなdiscussion形式の教育から学んでいる。このpresentationの技術は、学会発表や論文の執筆においても応用できる。目的と結論が明解であり、内容がconciseに纏められ、起承転結がはっきりとpresentationされていなければ、当然一流の学会や雑誌にはacceptされない。
さて、手前味噌になるが、日米医学医療交流財団の新しい事業として、「日米医学交流シリーズ」という単行本のannual publicationを今年から始めさせていただいた。これからは、財団の助成者に帰国後しかるべき時期に報告書を兼ねてこの本のbook chapterを執筆してもらおうと考えている。助成者はその中で、自分が留学中に行った仕事をpublication listも含め紹介し、後進に有益な情報提供をする事が義務づけられる。さらに、この報告書にもpeer-reviewを行うべきだと考えている。具体的には、過去の助成者の中から適切な方に編集委員になっていただき、報告書のreviewを行ってもらおうと企画している。もし仕事の内容やpresentationがpoorであれば、厳しくreviseをしてもらうこともあり得る。これは、野口医学研究所の提唱する「Big Brothers」の活動の一環であると言ってもいいと思う。勿論、一般からの投稿も大歓迎である。
また、留学に関する有益な情報がネット上で公開され、自由に伝達されるための「Health Care Professionalのための留学メーリングリスト」も近日中に立ち上げたいと考えている。このメーリングリストに国境はなく、Health Careと留学に興味のあるすべての人に参加してもらいたいと思う。メーリングリストを通じて人と人が自然な形で繋がりあい、お互いが成長することが楽しみである。
最後に、海外留学を希望する若い学徒に一言アドバイスしたい。ズバリ、留学の目的とは、異文化を体験したとか、海外の優れた学問や技術を見た、あるいは外国の資格を取ったというだけではなく、「世界に通用するprofessionalの仕事をして、 その内容を多くの人に伝えるためにpublishする」ことであると思う。そして、望むらくは海外で学んだ知識や技術を母国に持ち帰って、日本の同胞をケアーするために役立てて欲しい。同時に、国内外を問わず一人でも多く本物のHealth Care Professionalを育てることが、助成を受けた人の義務でありまた誇りでもあると思う。野口医学研究所や日米医学医療交流財団が行う助成事業にはそうした熱い思いが込められているはずである。