NOGUCHI NEWS LETTER
米国財団法人野口医学研究所ニュースレター 
■発行 米国財団法人 野口医学研究所 東京都港区虎ノ門1-20-7興武虎ノ門ビル5階
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Vol.2  1999.10
第3回 野口医学研究所・医学交流セミナーを終えて
野口医学研究所専務理事
津田 武

 去る8月7日(土曜日)に、東京六本木の国際文化会館にて野口医学研究所主催の夏期セミナーは、主として医学生・研修医を対象にして、『Career Development における医学交流』というメインテーマの下に第一部:講演、第二部:Small group discussion、第三部:シンポジウムという内容で午前9時から午後6時半まで行われた。その後は、懇親会で参加者一同ビールを飲みながら親睦を深めた。

 第一部では、NRMP(National Residency Matching Program)の資料を提示しながら、最近のアメリカレジデント研修の傾向について説明した。また当財団の医学交流の面接試験の選考基準、医学交流実践にも言及した。提出する英文の書類にしろ、実際のinterviewにしろ、充分な準備が必要であるということが改めて強調された。第二部の、今回初めて行なった英語でのsmall group discussionでは、(1)英語でのinterviewの実際と(2)Clinical discussionの二つのセッションがもたれ、それぞれのグループにインストラクターが一人ないし二人指名され、そのインストラクターの指導の下に英語での討論を行った。中にはこの新しい試みに戸惑う参加者も見られたが、初回にしては、まずまずの出来映えではなかったかと思う。今後のセミナーでは、このsmall group discussionの割合を徐々に増やして行こうと考えている。この試みは、出席者に唯受動的にセミナーを傍観してもらうのではなく、積極的に参加してもらおうという意図の下で行われた。 第三部のシンポジウムでは、実際アメリカでレジデントを終了した人達が、その後どのような進路(career development)を取ったのか、実際どのような選択肢があったのか、若い人に何を一番メッセージとして伝えたいかという事を話して戴いた。それぞれの演者が、貴重な体験を紹介してくれた。セミナーの最後に参加者全員にアンケートに解答してもらったが、参加者には概して好評だったようである。また幾つかの批判には、主催者側も謙虚に受け止め、次回はさらに意義深い素晴らしいセミナーにしたいと考えている。
 今回の隠されたテーマ(Hidden Theme)は、私がセミナーの最後に提示した近代オリンピックの父クーベルタン男爵の残した有名な言葉に要約される。"L'important, c'est de participer"(大切な事、それは参加する事である。)「参加」とは、その集団に属するあらゆる立場の人間が、各自の責任をもちつつその集団に積極的に寄与することである。交流というものは、決して一方通行であってはならない。知識の量的な相違は、それ程問題ではないのである。大切なのは、一人一人の学ぼうとする姿勢である。そして様々な経歴を持つ参加者が全員、この会に集うことにより何かしら新しい事を学ぶことが出来る、そんなセミナーにしたいと思っている。
 最後に、今回の演者、インストラクター、シンポジストは、野口アラムナイ並びに野口医学研究所の諸先生方に協力して戴いた。それ以外でも今回東京女子医大小児科の仁志田教授にもご多忙の中御足労戴き、この場を借りて皆様に感謝の意を表したい。またセミナーの設営を立派に仕上げてくれた野口医学研究所/東京のスタッフと協賛して下さった日米医学医療交流財団に感謝の意を表したい。