ハワイ大学のKuakini Medical Centerでの1ヶ月のオブザベーション研修を終えて、帰国いたしました三次庸介です。今回、外科を中心として、見学をさせていただき、たくさんのことを学びました。Kuakiniの外科の体制についてですが、Attendingは基本的には5人、あとはチーフレジデント1人と外科レジデント3人と、随時研修に来る医学生です。外科のレジデントは3日に1回当直をしていました。一日の勤務内容については、朝は6時半からチーフレジデントと回診があるので、その前までに、自分の患者をラウンドしておきます。チーフレジデントのラウンドは廊下で簡単なプレゼンをして、その日のプランを話し合ったり、質問をしてDiscussionします。私も2週間目から粗末な英語でプレゼンしました。ラウンドでの新たな指示をPCで入力すると、オンコール以外のレジデントは基本的に帰宅します。80時間/週という勤務時間制限があるためです。オンコールは一日、病棟やERから呼び出しを受け、その日にある手術に助手もしくは術者として入ることになります。基本的にはチーフレジデントは術者になりますが、それ以外のレジデントの症例はAttendingが術者のことが多かったです。私は、見学なので、手洗いをして入ることはできません。私は卒後5年目であったので、大体の手術内容や方針については見ればわかりました。手術は多くても、一日4.5件で、一例目は朝7時半から開始です。カンファレンスはTumor Boardという病理カンファと、Mortality&Morbidity Conferenceという合併症カンファ、毎週水曜日にQueen’sでSurgical Residentを全員集めて行われるConferenceと講義があります。Queen’sの講義はとても教育的で、一時間ごとに専門医が様々な内容について講義してくれます。レジデントはこの時間はDutyがなく、オンコールも免除されます。
今回の見学の内容についてですが、まずは町先生との出会いであったと思います。超音波やRFAをはじめとする診療内容もさることながら、教育的な配慮と豊かな人格に驚きました。研修医と共に、ベッドサイドでUSガイド下の穿刺を教えたり、手術室でも一番教育的であったり、教育に対する姿勢は学ぶべき点でした。いつか町先生と一緒にお仕事ができればと思います。
2点目としてはコメディカルの違いです。Nurse自体の仕事内容も異なる上に、Nurse PractitionerやIV Therapistなど日本には存在しないコメディカルのおかげで、医師の雑務が激減しており、仕事の効率を重視するアメリカの医療は非常に合理的で、医者が仕事をしやすい環境であることを強く感じました。
3点目としては周術期の管理です。術後の管理に関してはとてもSimpleですし、術前術後含めて、合理的で簡略化されたSystemで患者さんをケアされていました。手術は当日入院で、退院も比較的早い印象を持ちました。
4点目としては外科メンバーをはじめ、医療従事者全員がとても仲良く仕事をしていることでした。廊下でのあいさつやエレベーター内での会話から生まれる、和の意識を感じました。円滑に仕事をするためには、必要不可欠なRelationshipです。
5点目としては手術内容です。ハワイ大学でも、臓器移植が積極的に行われていたり、Robot Surgeryがあったりと、日本ではあまりお目にかからない手術も多数あります。しかし、日本人の手術技術の方がより丁寧かつ慎重であると感じました。6点目としては教育システムです。町先生もお話になっていましたが、アメリカはシステム作りが上手で、レジデンシープログラムも終了時には全員一人前になるように作られているようです。また、医学部教育も異なり、医学生の質の高さには驚かされました。知識量としては変わりないと思いますが、朝のラウンドのプレゼンは明らかに日本の医学生より優れていました。また研修内容も、手術で埋没縫合をしたり、指示を出したり、日本の初期研修医のやっているレベルのことをしています。
外科でレジデントになることは難しいのですが、今回の見学を機に以下の3点を今後の目標とします。@Surgical Residency Programに参加するA英語を上達させるB医療教育や新しい外科治療を日本へ広める
このオブザベーション研修のいい点はEvaluationがないので、自由に好きな内容を見ることができることだと思います。アメリカの医療がどのようなものか見てみたいが、なかなかきっかけがないと考えている人は一度いってみる価値はあると思います。期間もある程度、自由に選べます。お金はかかりましたが、積極的に取り組み、これからの目標が明確になり、とても満足しています。 今回このような貴重な経験をさせていただきまして、浅野先生、町先生、野口先生、児島先生、鈴木先生をはじめ、多数の先生方に心から感謝いたします。有難うございました。 |