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TJUでの実習レポート

吉安展将

 

 現代医学の根源はアメリカにある。そう感じたのは、丁度一般教養の履修が終了し、臨床医学のいろはを学び始めたほんの矢先のことです。基礎医学から臨床医学を学んでゆくにつれて、洋書を読む回数や論文を検索する頻度が増え、「将来はアメリカに渡り医学を根本から学びたい。」と自ずと思うようになっていきました。今回、私がThomas Jefferson University(TJU)/Hospital(TJUH)で臨床実習を希望した理由は、日本でのclinical clerkshipが一通り終了し、USMLEの勉強もある程度進んでいたことも相まって、アメリカの医学生(特にM3・M4)やresidentと比較し、何が不足していて、逆に何ができているのかといった事を肌で感じることで、自分の現時点での立ち位置を把握する絶好の機会であると思ったからです。

 まず実習の中で一番実践的であり、かつTJUやUniversity of Pennsylvaniaの学生と交流が持てたJeffHOPEという学生主体のmedical clinicの話をします。JeffHOPEではvolunteerの有志を募り参加した医学生や薬学部の学生が、resident或はattendingの監視の下、homelessの方々に問診・身体診察・治療(薬の処方)を行います。具体的には学生数人が1チームとなり、主訴・現病歴・既往歴・家族歴・社会歴などを聴取し、vital測定・聴診・視診・触診・神経学的所見をとり、その患者さんの治療や今後の方針をdiscussionをした後に、resident/attendingにsummaryのプレゼンテーションを行う流れになっています。薬剤の処方や今後の方針の最終判断は勿論、residentやattendingが下しますが、問診から鑑別診断をあげて、AssessmentとPlanを自分たちで考える機会を得る事がM1から可能となっています。初めて参加した私も、実際に2名の患者(Pt)さんの診察をさせて頂きました。 Clinical Clerkshipで予診をとる機会を何度か経ており、OSCEによる診察の基礎は一通り学んでおりましたが、得た情報から問題点を抽出し、自分なりの考えをまとめてプレゼンテーションをする事に慣れておらず、苦労する場面もありました。しかしそれを知ってか、同チームの学生(M4)がプレゼンテーションをするときのコツや、診察手技に関して理解不足であった部分を重点的に手取り足取り教えて下さり、非常に勉強となりました。このように上級生が下級生を教え、お互い切磋琢磨してゆく姿は日本でも見受けられますが、それがより当たり前のことの様に自然に成されているのは、アメリカの方ではないかと感じました。今思い返すと、拙い英語ではあっても、積極的に下級生に教える機会を持てば良かったなと思っています。私は近い将来アメリカのresidency programに入ることを目指しておりますので、この経験をふまえ、彼らよりも努力を怠らず、他人から尋ねられても積極的に指南できるように日々精進してゆきたいと思いました。

 TJUHospitalでの臨床実習自体は、Emergency Medicine・Internal Medicine・Family Medicine・Pediatricsの計4科をまわるカリキュラムになっていました。Family MedicineとPediatricsに関しては外来であったこともあり、JeffHOPEに近い形の訓練ができました。特にPediatricsでは、配属されたチームがたまたまM4とresidentで構成されていたこともあって、M4の学生と共に診察室で患者さんを診察した後に、お互いに所見から考えられる疾患をdiscussionし、二人で今後の方針を含めresidentにプレゼンテーションを行いました。M4・residentと意見が一致したときだけでなく、一致しなかったときも私の考えに真剣に耳を傾けて頂けたことは本当に有り難かったです。事実、私が疾患に関し間違って解釈をしていた部分をwebにて調べて下さり、共に理解しようという姿勢を示して頂けました。正直アメリカで臨床実習をする前、単なるobserverの様な扱いで、ただ茫然とresidentがやっている姿を見ているだけだと思っていましたので、有意義な時間が持てて良かったです。どんな相手に対しても尊重する心を持ち、いかなる人からも学ぶ姿勢を崩さず、患者さんを助ける一心で医療を続ける。これこそ、世界問わず共通たるものだと再確認させられました。対してinternal medicineでの実習では、clinical fellowの回診とカンファレンスなどに参加させて頂きましたが、何が日本と違うのかと思える程流れは似通っていました。M3が受け持ち患者を数人持ち、チームの一員として機能している感はありましたが、私は日本のclinical clerkship中に総合診療科で同じ様な訓練を受けましたので、其れ程新鮮な部分は無かったです。病棟患者さんの状態を把握し、カルテの記載、bedsideでのV lineの処置やガーゼ交換、clinical fellow・resident・pharmacistを交えたカンファレンスでのプレゼンテーションなど、どれを取っても指導医の監視のもと施行されているものだと思います。ただ日本とは打って変わり、アメリカでは分業主義が反映しているのか、薬剤師の方も共に回診とカンファレンスに参加している姿が見受けられました。個人的には、Internal Medicineでも運良くinternとM3の学生2人と主に行動を共にでき、今後の目標設定が具体的にできたことがこの実習を通しての収穫でありました。その他、JeffHOPEの時もそうでしたが、頻繁に悩まされたのが薬剤の名前です。商品名であるのか、将又一般名であるのか、さらにはどんな作用のある薬剤なのかを、音声で聞き慣れていないため検討がつかない場面が多かったです。事前に患者カルテをコピーして頂いたので、患者さんの服薬歴などは把握できましたが、それにしても苦渋を強いられることが多く、今後押さえてゆかなければならないと感じました。

 最後に、アメリカで実習を共にした日米両医学生は私の一生の宝物です。今後も親睦を深め、お互いに刺激し合える存在であり続けたいと願うばかりです。彼らとの出会い、そしてこのような貴重な機会を与えて頂きました浅野先生をはじめとする野口医学研究所の皆様、現地で私達をサポートして下さいましたDr.Majdan、Yumiko Radiさん、TJU医大生ら、本当に有難うございました。心より御礼申し上げます。

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