米国財団法人 野口医科学研究所

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TOP  財団設立20周年記念誌

理事長挨拶
 20周年を迎えて
                                         野口医学研究所 理事長
                                           浅野 嘉久

想い起こせば既に20年を超えています。私が恩師の浅倉先生から野口医学研究所(以降、野口財団、財団と称す)の設立に関して、その協力を依頼されたのは足掛け22年に遡り、私は当時、未だブリストルマイヤーズ社(当時、スクイーブ社は未だ合併されておらず)に勤務しておりました。浅倉先生が突然、着た切り雀の格好でオフィスに訪ねて来られ、如何に日本の臨床医学が患者を蔑ろにした医師主体の前近代的なものであるか、そして、アメリカのような「チーム医療」を日本にも定着させることが非常に重要である、などの理念を氏特有の熱っぽい口調で語り、野口財団設立の急務を説かれたのを、今でも昨日の事のように思い出すことが出来ます。

浅倉先生の言葉が心に残り、ブリストル社を辞め、自分の会社を設立して財団を手伝う内に、気が付くと私もどっぷりと野口財団に浸かってしまい、終いには財団黎明期の当事者として寄付集めに奔走していました。今でもそうですが、日本で寄付を集めるというのは大変困難な仕事です。どの企業も最初の返事はいいのですがいざ寄付を頂く段階になると、見返りを要求するところがほとんどで、これは日本の文化的成熟度の低さというか、税制を含む社会機構の矛盾から生じるものなのでしょうが、毎日々がやるせなさを感じさせられることの連続だったのを憶えています。

しかし、捨てる神あれば拾う神ありで少しずつ協力者も現れ、嬉しいことに野口財団のフェロードクター達が皆で協力して「ドクターホットラインR」という事業を始める事が出来ました。更に世界に雄飛する日本人の為に日本語で一般診療と人間ドックRの受けられるクリニックを、世界各国に作る事も出来ました。
今ではそれらの事業に加え、CROビジネスにまで手を広げ、奨学金を始め財団の予算を増やす努力をしています。恐らく日本の中でも自活出来る財団としては、日本相撲協会、中央競馬会それに船舶協会を除けば正に稀有な存在であると自負しています。

ただ今日に至るまでには、色々と困難が待ち受けていました。中でも教養のあるべき幹部医師の中に、自分の事しか考えない利己的な人間が間々いた為、野口財団が思いもかけぬ財政的困難と回り道を余儀なくされた事もありました。
そのような艱難困苦を潜り抜け、今ここにある野口財団は、とても素晴らしい成長を遂げたものと言えましょう。

ともあれ、私はライフワークとしてこの医学交流に賭けた20年を誇りに思い、これからの人生全てを、この運動に捧げることを心に誓っています。

有難うございました。皆様に感謝して止みません。